INTERVIEW
01
取締役 CTO
川崎 仁史
前職
現実に作用する、使った人を
より良く変えるような
システムを作りたい。
- 原体験は小学生の頃
-
もともと、現実に作用する、使った人をよりよく変えるようなシステムに興味がありました。そのきっかけは、小学校のとき。体育の授業で、鉄棒の前回りができた人から抜けていくゲームに参加させられ、最後まで前回りができずにクラスの皆の前で一人取り残され、悔しく惨めな思いをした思い出があります。反対に、算数の授業で計算の速さを競うゲームではクラスで一番になり嬉しかった思い出があります。それがきっかけで算数が好きになり、それからずっと算数・数学が好きです。こういったことが原体験となり、興味をもちはじめました。
- モチベーション向上を研究開発
していたNTT研究所時代 -
小学校での出来事が原体験としてあり、前職のNTT研究所ではユーザーのモチベーションを向上させる方法を研究・開発していました。例えば「小さな集団でも上位になる経験をすると、その活動が好きになる」という仮説のもと、期間や属性を階層的に細かくして組み合わせることで膨大な数の集合を作り、ユーザがなるべく上位になる集合を選んでユーザに提示するシステムです。他にも 「今すごく輝いているこの人は、昔はあなたと似てました」という人を検索し、リコメンドしてくれるシステムだったり、モチベーションに関する研究・開発に取り組みました。「会社や部署、グループとしてやるべきこと」と「自分のやりたいこと」を考慮して、うまく方向性を一緒に定めてくれる良い上司たちに恵まれたおかげで、やりがいを感じながら楽しく仕事ができたと感じています。
国際会議でのポスター発表の様子
起業の理由
VRは人のスキルを向上させることもできるはず!
- 映画「マトリックス」で見た感動が再び
-
起業のきっかけはHTC VIVEにはじめて触れたとき、VRは自分自身がやりたいと思っていたことが実現できる技術だと感動を覚えたことです。高校一年生の時に映画「マトリックス」を見て、そこに登場するデジタルな世界の中でヘリコプターの操縦を数秒間で習得できてしまうシステムを見て、「このようなシステムがあれば、私の鉄棒のように何かができずに悔しい思いをする人がいなくなるんじゃないか?」「こんなシステムを作りたい!」と感動したのを今でも覚えています。これと同じようにVR機器は人のモチベーションだけではなくスキルを向上させることもできるのではないかと思い、血が騒ぎました。
- VRで人のスキルは
向上できることへの確信 -
その後、得意だったけん玉のトレーニングシステムをVRで作ってみました。それをけん玉ができなかった母と妻に試したところ、5分程度でけん玉ができるようになりました。「VRで人のスキルは向上できる!」そう実感した瞬間です。
その後、心からやりたいと思うことを思いっきりやるために、会社をやめることを決意しました。起業してやりたいことは今も昔も変わっていません。けん玉はもちろん、「マトリックス」のヘリ操縦や戦闘、自分が悔しい思いをした鉄棒も含めて、色んな分野で使った人をより良く変えるようなシステムを作っていくことです。
イマクリエイトが目指すもの
現実をよりよくする
DoableなXR体験
- VRで人のスキルは
向上できることへの確信 -
XR(VR/AR/MRの総称)というと、スマホやゴーグルで立体的に物を見ることをイメージされる方が多いと思います。しかし、我々が取り組むのは「見るXR」ではなく「するXR」。
コントローラーの位置を認識する技術や、手や身体の位置や形を認識する技術は日々向上していますが、こうした技術を活用することで、単に立体的に物を「見る」だけではなく、XRの世界の中で身体を動かしたり、動作を行うことができる未来を実現したいと考えてます
「するXR」の研究中
- 現実に作用する“DoableなXR”
-
バーチャルな世界で身体を動かしていたら、いつの間にか現実でも能力が上がっていたり、筋肉がついていたり、健康になっていたり…。
体験前後で別人になってしまうような 、“DoableなXR”。これがイマクリが目指す未来の当たり前であり、そしてイマクリエイトの強みとする技術でもあります。
イマクリエイトの技術
「動きをシェアする技術」と
「バーチャルを現実よりも
便利にする技術」
イマクリエイトの技術は大きく2つあります。
- ①動きをシェアする技術
-
達人や有名人の動きを3Dで正確にバーチャル空間に再現したり、その動きをユーザの現実に作用するようにシェアしたりするものです。
目の前で立体的に存在し、しかも好きな角度から見たり、重なったりできる3Dの人物をバーチャル空間に配置するのは、まだ技術的に難しいことがあります。
例えば、3Dの動きを正確に取得する技術が高価なこと、取得の準備に時間がかかること、取得したデータが重くて3Dでリアルタイムに見るためのマシンパワーが足りないことなどが挙げられます。私たちは、現状の技術でできる限り正確でリアルタイムに確認できる3Dの動きをシェアできるようにすることと、その道の一流の人の動きをシェアしていくことにこだわっています。シェア元の動き(上級者)
VR内の動き
シェア先の動き(初心者)
- ②バーチャルを現実よりも
便利にする技術 -
物理法則を変えたり、一瞬で位置を移動したり、状態をリセットしたりできるのはバーチャル空間ならではの性質です。
この性質を活かして、現実では難しいことをバーチャル空間で簡単にしたり、現実には存在しない触ってもすり抜ける物体をバーチャル空間に配置することで、身体の動きを意図した通りに導いたりすることができます。
透明なけん玉をつくり、スタジオを借りて研究をすることも
イマクリエイトが今後取り組んでいくこと
現実をよりよくするDoableな
XR体験
動きをシェアする技術と、バーチャルを現実よりも便利にする技術を今後さらに強化していきたいと考えています。方向性としては2つです。
- ①動きをシェアする技術を
強化するために -
直近では以下の機能について検討を進めています。
例えば、- ・ユーザー側でも3Dの動きをなるべく簡単に取得できる
- ・達人や有名人の動きと自分の動きを比較できる
- ・過去に取得した3Dの動きデータを確認できる
- ・3Dの動きデータをリアルタイムに取得して、それを複数人でシェアできる
こうしたことが可能になれば、例えば遠くにいる達人と同じバーチャル空間に自分も一緒に入って動きを教えてもらったり、遠くにいる有名人の動きを見てマネしたり、遠くにいる友人達と集まって一緒に身体を動かしたりすることができるようになるでしょう。
- ②バーチャルを現実よりも
便利にする技術を強化するために -
①でご紹介したリアルタイムに動きをシェアする技術とかけ合わせることで、「現実で教えるよりもXRの方が教えやすい」「現実で学ぶよりもXRの方が学びやすい」「現実で運動するよりもXRで運動する方が健康的」といったことが可能になります。
イマクリエイトが求める人物像
「XRでやってみる」が当たり前になった
世の中をつくる。
この想いに共感して頂ける方を
待ちしています。
こうした構想を実現するためには、まだまだできていないことが多いです。
これから確立したい技術と、それをするために取り組みたいことを列挙するだけでもこれだけあります。
-
①複数人がリアルタイムに同じ空間で3Dの動きをシェアする技術
オンラインマルチプレイのアプリケーションと
サーバーサイドの開発をしていきたい。 -
②3Dの動きデータという重たい
データを上手く蓄積する技術データベースを活用したサーバーサイドの
開発をしていきたい。 -
③複数人の3Dの動きを
比較・分析する技術データ分析や機械学習を活用した
研究開発をしていきたい。 -
④3Dの動きを精度高くバーチャル空間に再現する技術
3DCGのアニメーションの開発をしていきたい。
-
⑤バーチャル空間ならではの特性を
活用する技術XR技術を社会実装する研究開発をしていきたい。
-
⑥バーチャル空間での体験の
影響力を高めるための技術XRのアプリケーション開発に引き続き取り組んでいきたい。
イマクリエイトでは、「XRでやってみる」が当たり前になった世の中を「Do with XR」として表現し、この実現のために日々活動しています。
しかし、これは今の我々の力だけでは実現できません。
上記に列挙した技術や開発経験がある方はもちろん、現実に作用する「するXR」に興味をもって頂けた方はぜひ一度ご連絡頂ければと思います。